圧迫法と触れること


身体を穏やかにする床のワーク

 

身体を穏やかにする床のワークより

 

私は以前から圧迫法と、触れることのつながりを注目していました。圧迫法というと強い圧をギューッと加える技術をイメージしますが、実はどんなに軽く触れたときでも、そこには何らかの圧が必ず加わっています。

 

手の平で誰かの体に触れたとき、そこにはほんの数グラムであっても、わずかな圧があると思って良いでしょう。そこで良質の圧迫法を心がけると、良い触れ方=タッチングができることになります。

 

圧迫法を行うときに大切にしている3つの原則があります。

  1. 垂直圧
  2. 持続圧
  3. 安定圧

 

1. 垂直圧

垂直圧は体の面に対して垂直の圧を加えることです。もうすこし厳密に表現すると圧を加える対象=軟部組織(神経や筋肉)に垂直の圧を加えることです。

 

体の面に対して垂直に圧を加えます。そのとき、内部の軟部組織の形状が変化している可能性があります。たとえば筋肉が凝って硬くなり形もいびつになっているときなどです。

 

そこで実際には、体に垂直の圧を加えつつ軟部組織の変化を感じ取って微調整をすることになります。

 

2. 持続圧

持続圧とはある一定の圧を持続的に加え続けることです。しばしばクラスではこんな図を描いて説明します。フライパンの底の部分が持続的に圧を加えているときです。

 

 

 

体の弾力に従ってゆっくり圧を加え一定の圧を保ち持続します。その後にゆっくりと圧を減じます。持続圧があるとき、体は鎮静化します。

 

こちらは似ていますが、フライパンの底がありません。持続圧は成立していないので、鎮静作用を得ることはできません。

 

 

3. 安定圧

垂直圧、そして持続圧にとって必要なものが安定圧です。実は安定圧は別名、支え圧とも表現することができます。

 

手の平で圧を加えるとき、もう一方の手がそれを支えます。この支えがあることで、手の平の圧は安定し、垂直圧、持続圧が成立することになります。

 

たとえば両拇指で細かなフリクションのような技術を行う場合でも、拇指以外の4本の指が支えることで技術は安定します。

 

垂直圧、持続圧、安定圧を説明しました。圧迫法を行なうときはこの3点を心がけると質が向上します。

 

またシンプルに触れるときも同じように心がけてみてください。触れるということ自体が、どんなにわずかであってもそこに圧があると思えば、この3つの原則はそのまま当てはまります。

 

加えて垂直に触れるとは、体の形を損なうことなくそのまま触れることです。体の形を尊重することで受け手の在り方を尊重します。持続的に触れるとは、変化が起こることを期待せず、ただそこにあり続けること。安定的に触れるとは、支えることと支えられることのお互いの関係を尊重することです。

 

身体を穏やかにする床のワークは圧迫法とシンプルなタッチングで体を穏やかに癒すボディワークです。

 

具体的にはうつ伏せと仰向けの姿勢で手の平、手指、前腕、時には膝を使った圧迫法で体の凝りをジワーと緩め、タッチングで整えます。

 

前腕や膝を使うのは初めて方もいらっしゃるかもしれません。前腕と膝は武術の世界では武器として使うものですが、先ほどの圧迫法の3原則に従うとソフトで安定した圧を生み出してくれます。

 

このワークは着衣のまま床で行いますので、とても手軽です。圧迫法と触れることのコツを活かして心地よい時間を過ごしてください。(中安)

 

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2018-11-02 | Posted in 床のワークComments Closed 

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