ロッキングテクニックの可能性
二つの揺らし方 ロッキング
心地よく揺らして体を整えるロッキングテクニック。実はその揺らし方は、二つに大別することができます。
ひとつの方法は「揺らす動きで固い筋肉を引き延ばす方法」です。これは揺れる動きを利用した筋肉へのマッサージ的な方法です。
もうひとつは「抵抗の内側で揺らす方法」です。ここで取り上げる抵抗とは、体にあらわれる固さや緊張、痛み、動きの悪さなどのことです。この揺らし方は、これらの抵抗を生じさせない範囲で揺らす方法です。
たとえば電車に座っていてのんびり揺れているうちに眠くなってしまう…実はこれは抵抗の内側で揺れている状態です。それが大きくガタンと揺れておっとっととなるのが抵抗を超えている状態です。
この二つの方法は良い悪いではなく、両方に利点があり、セッションではそれぞれの良さを活かすことになります。臨床的には抵抗の中間点で二つの方法を組み合わせて用いることが多いです。
例えば最初は抵抗の内側で行い、様子をみて抵抗をわずかに超えてみる。再び抵抗の内側に戻るというパターンです。
抵抗の内側でロッキングする3つの方法
ロッキングテクニックのおもしろいところは、小さな動きほど大きな効果を示すことです。たとえば、固くなった体の部分は小さな動きでないと受け入れることはできません。つまり固さという抵抗の内側でアプローチすることで、作用を及ぼすことができるのです。
一言で「抵抗の内側」とまとめていますが、そこにはいくつかの可能性があります。主な3つをご紹介します。
- 範囲
- 速度
- 方向
範囲とは動きの大きさです。揺れる動きが抵抗を超えてしまうと、さらなる抵抗や障害が生じる可能性があります。抵抗を超えることのない動きの範囲でロッキングを行います。
速度とはロッキングの速度のことです。速すぎる動きは抵抗を生じる場合もあり、反対にとてもゆっくりであれば、抵抗を生じさせることなく動きを提案することができます。
方向とは抵抗のある方向を避け、抵抗のない方向へと動きを提案することです。別な表現をすれば、体が求める方向にサポートするとも言えます。
いかがでしょうか。文章化すると複雑な印象を与えるかもしれませんが、実際に行なっていることはシンプルです。体にとって楽で安全な方向に動きを提案することになります。
ロッキングテクニックの二つの方法。今回は特に「抵抗の内側で揺らす方法」を取り上げました。ロッキングは着衣のままでもセッションができますし、オイルマッサージにも組み入れることができる便利なテクニックです。マッサージテーブルだけでなく、床の上やイスを使ったセッションも可能です。中安
次回のクラス日程
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- ロッキングテクニック サイドワーク1
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