イスで行うロッキングテクニックとは
心地よく体を揺らしてリラックスするロッキングテクニック
ロッキングはマッサージテーブルや床で行うことが多いのですが、イスでも行います。
イスで行うロッキングテクニックは、「イベント会場でロッキングしたいのですが、何か手軽にできる方法はないですか?」というリクエストから生まれたものです。そこで「こんな感じではどう?」とデモをしたら、「いいじゃないですか!」ということで、ひとつのプログラムにまとめました。
ところがその後、何回かセッションを行い、クラスも開催しているうちに「イスで行うロッキングテクニック」のなんとも興味深い点に気づきました。
イスでも仰向けの下肢はほぼ全部できる
初めは「イスではできないこともあるかも…」と思っていました。もちろん、マッサージテーブルと同じようにはいきませんが、実際には仰向けの下肢の技術のほとんどができることに驚きました。脚を転がすこと、足関節に働きかけること、足の指、足の裏、膝、大腿部、股関節とほとんどの部分に、それもいい感じでロッキングすることができます。
イスの二つの世界
何度かセッションを行なっているうちに、イスの技術には二つの世界があることに気づきました。それは受け手の姿勢のことで、水平の世界と垂直の世界です。水平は主に下肢です。下肢は骨盤から足までの部分です。ここは地上面に対してほぼ平行に、伸ばすように体の組織をつなげてロッキングします。二つ目の世界は骨盤から頭までの部分で、ここは地上面に対して垂直です。
水平の世界である骨盤から足までの技術は、どちらかというと肉体的な感じです。足から緩んでくるリラックス感です。とても心地よく、全身に心地よさが広がるので、イベント会場などではこれだけでも十分です。
もうひとつの垂直の世界、骨盤から頭までの部分の特徴は、「重力」との関わりです。骨盤・腰からの体幹と首・頭はひとつの重力の下にあります。つまりその部分の全てが骨盤にかかっているわけです。したがって、この部分へのアプローチは、常に重力を意識して行うことになります。
常に重さを意識するので、ロッキングの揺れ幅は小さく、さらに深部まで揺れが広がります。これは先ほどの下肢の部分の肉体的な印象とは異なり、もっと深く内部に入っていく印象があります。場合によっては瞑想的と言ってもいい感じです。骨盤から始めて、脊柱、肩、首、そして頭をサポートして終わります。もちろん腕も行います。
重さをサポートする
骨盤から頭までの垂直の領域には、ロッキングも行いますが、同時に重要な役割を果たしているのが、「重さをサポート」することです。この重さとは体の重さのことで、重力とも言って良いと思います。
与え手が受け手の体の重さをサポートするとき、受け手は重さのコントロールを手放すので、結果として受け手の体はニュートラルな状態になります。何もしないに近い状態です。そうすると、体の関連する部位もコントロール=緊張を手放します。これはロッキングと合わせて行うこともありますが、重さのサポート単独で行うこともあります。これも結構、瞑想的です。
イスで行うロッキングテクニックは、お手軽感というところから始めましたが、なかなか深いものもあり、面白いです。どうぞ、体験してください。
次回のクラス日程
関連クラス
- ロッキングテクニッククラス1
- ロッキングテクニッククラス2
- 床で行うロッキングテクニック
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- ロッキングテクニック練習会
- ロッキングテクニック説明会